スポーツと熱中症・その対応の仕方

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てらづ高橋接骨院

アメリカのスポーツ中の死亡理由のトップ3に入るのが、熱中症だと知っていますか?

安静時の熱中症と違い、運動中(スポーツ時)の熱中症のことを「労作性熱中症」といいます。重度の労作性熱中症の死亡率は30%にもなりますが、初期の迅速で正しい対応次第で防ぐことが出来ます。

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結論

労作性熱中症になったら、深部体温の計測(深部体温が40.5℃以上になった時が労作性熱中症)と首から下のアイスバス(できれば水温2度程度)が選手の生命を防ぐ最良の方法です。この二つをやって病院に搬送が望ましいです。深部体温を測るのが臨床のゴールドスタンダード(診断や評価の精度が高いもの)になっています。深部体温とは直腸で測る体温の事です。

なぜ腋下温度(わきの下で測る)が使えないか不思議に思うかと思いますが、安静時の熱中症は外気温が関係して起こるために腋下温度と深部体温との関係性がでできます

しかし労作性熱中症は外気温と体内から(筋肉)の発熱が起こるために、腋下温度と深部体温の関係性が薄れてきます。正しい評価が正しい選択につながります。スポーツの現場では深部体温の測定を行うようにしてください。

労作性熱中症の時に深部体温(直腸温)以外の部位の体温は妥当性・信頼性を欠けます。それらの数値を信じる事は、労作性熱中症の人の命を危険にさらす事と同意であるとまで言ってます。

日本ではアスレチックトレーナー(AT)の直腸検温は認められていませんが、応急処置として行うのなら私は認められるべきだと考えています。アメリカではAEDと直腸検温がスタンダートなってきているようです。日本も危険な暑さの中の大会が多くなってきています。選手の生命を第一に考えて行動をしてもらいたいです。

熱中症の種類

熱中症は4つの形態に分かれて、その一つが労作性熱中症です。すべての熱中を解説し、プラス1として「運動性ナトリウム血症」の説明をしていきます。

1.運動誘発性筋けいれん(熱けいれん)

原因

脱水や運動が原因とはされているが、明確な原因は確定されていません。

症状

痛みを伴う不随性筋収縮(こむら返りなど)をおこし、複数の筋肉に筋収縮(けいれん)が進行していく事も多々あります。意識はあり深部体温(<40.5℃)の上昇はありません。

処置

休息・冷却・ストレッチ・水分補給・塩分補給などを行いましょう。

2.熱失神

原因

暑熱順化が不十分で突然姿勢を変えた時におきやすく、脱水と血管の拡張によって心臓にもどる血流量が不足するために一時的な脳虚血状態が起き、めまいなどをひき起こす。

暑熱順化とは1週間~2週間の期間を使い、運動強度を徐々に上げ暑さに身体を慣らしていく事です。

症状

めまい・視野狭窄・青白く汗ばんだ肌・心拍数の低下・倦怠感などを起こます。深部体温(<40.5℃)の上昇はありません。似ている症状で心疾患などがあるので、胸などを苦しんで失神を起こした時は心臓などの循環器の病気を疑い、直ぐに心肺蘇生・AEDと救急車の要請を行いましょう。

処置

冷却・下肢挙上(足を高くする)・水分補給などを行いましょう。

3.熱疲労

原因

複数の要因が重なり、気温が高い中で運動を持続した時に起こします。しかし温度がそれほど高くなくとも、激しい運動を長時間したときにも起こります。

症状

疲労・脱力・頭痛・めまい・吐き気・血圧低下・筋の協調性に欠ける動作(ふらつきなど)が起き、軽度の認知的症状や頭痛・めまいはあっても、中枢性機能不全(CNS機能不全)をともなわない。深部体温(<40.5℃)の上昇はありません。

中枢性機能不全とは脳機能が低下した状態で、幻覚・昏睡・見当識障害(時・場所・人がわからなくなった事)か症状として現れます。

処置

涼しい場所で身体を冷やす・下肢挙上(足を高くする)・水分補給・塩分補給を行う。30分しても回復しない時は病院に行ってください。悪化したした時は直ぐに救急車を呼んでください。

4.労作性熱中症

原因

外気温と運動による発熱の影響で深部体温(>40.5℃)が生命の危機レベルに上昇した状態

症状

深部体温が40.5℃以上に上昇した状態・熱く汗ばんた肌・血圧低下・過呼吸症状があり全身に炎症反応が広がり多臓器不全を起こし死に至る。

労作性熱中症には2つの診断基準があり、1つは深部体温が40.5℃以上に上昇した状態中枢性機能不全(CNS機能不全)を起こした症状になります。中枢性機能不全になると幻覚・昏睡・見当識障害や攻撃的になったりイライラするなどのムードの変化・混乱・バランス能力の低下・異常行動・てんかん発作・意識レベルの低下など様々な症状があらわれます。

処置

30分以内に深部体温を38.9℃以下に下げる。体温を下げるために、首から下の全身をアイスバス(2℃の冷水)に浸す生存率は深部体温がどこまで上がったかではなく、40.5℃以上の状態がどれだけ続いたかによって決ってきます。迅速に体温を下げてください。救急車が来て病院まに到着するまでは、20分~30分かかってしまいます。生命にかかわります。アイスバスをかき混ぜながら、体温を早く下げてください。

バイタルサイン(直腸温・心拍数・血圧など)を5~10分おきに計測してください。

5.運動性ナトリウム血症

原因

発汗によってナトリウムか欠乏し、そこに大量の水を飲むことで血中のナトリウム濃度が低下した状態です。細胞膜の浸透圧のバランスが崩れ細胞が膨張を起こしてきます。これが脳でおきた状態が、ナトリウム脳症といって生命にかかわります。

症状

深部体温(<40.5℃)の上昇はありません。発汗より汗ばんだ肌・頭痛・吐き気が起きます。

しかし、重症の時には中枢性機能不全(CNS機能不全)を起こした症状になります。中枢性機能不全になると幻覚・昏睡・見当識障害や攻撃的になったりイライラするなどのムードの変化・混乱・バランス能力の低下・異常行動・てんかん発作・意識レベルの低下など様々な症状があらわれます。

この鑑別の為に深部体温の計測が大切になってきます。

処置

経口補水液・点滴などで血中のナトリウム濃度を上昇させる。

スポーツと外気温のリスク管理

気温27.8度以下1時間で3分以上の休憩を3回以上とる
気温27.8~30.5度1時間で4分以上の休憩を3回以上とる
気温30.5~32.5度トレーニングは2時間以内とし、1時間で4分以上の休憩を4回以上とる
気温32.5~33.3度トレーニングは1時間以内とし、1時間で20分の休憩を必ず取るとる
気温33.4度以上中止

水分補給をしっかり行い、氷水の入ったミスト(霧吹き)などを使い体温調節をしっかりしてスポーツを楽しんで下さい。

スポーツ時の注意

  1. いつでも水分補給を行い、体重変化を2%以内減少に止める事、2%以下の減少は脱水になっています。
  2. 尿(オシッコ)の色を自分でモニタリングしておくこと。尿は脱水を起こすを色が濃くなってきます。アップルジュースの様な色は脱水の色になります。薄いレモネードの様な色を目指しましょう。
  3. 熱の影響は蓄積します。しっかり7時間以上の睡眠をとってバランスの良い食事を心がけましょう。
  4. 暑熱順化を1週間~2週間の期間を使い行い、運動強度を徐々に上げ暑さに身体を慣らしていきましょう。

ファルモス・ロードレース

アメリカの8月に行われる7マイルのロードレース大会になります。例年多くの労作性熱中症が起こる大会として有名です。この大会では18年で274件の労作性熱中症が起き、一年平均で15.2件±13件もの労作性熱中症が起きています。

しかし、このマラソン大会での労作性熱中症の生存率は100%となっています。この大会では労作性熱中症のスペシャリストチームが救護として入っています。労作性熱中症の死亡率のは30%となる為、初期の処置がいかに大切かわかるでしょう。

まとめ

種類熱疲労労作性熱中症運動性ナトリウム血症
中枢性機能障障害無し有り有り
深部体温(40.5℃)の上昇無し有り無し

労作性熱中症になったら、深部体温の計測(深部体温が40.5℃以上になった時が労作性熱中症)と首から下のアイスバス(できれば水温2度程度)が選手の生命を防ぐ最良の方法です。

外気温や水分補給・休憩をしっかり行い、毎日の睡眠や食事を心がけでスポーツを楽しんでいきましょう。

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